グリフィンドールに入りたい

主に本や映画の感想を書こうかと。プライベートについてどれくらい書くかは思案中。

教師が生徒の悪口を外で言いふらすのは良くないと思う。

 タイトルそのままなのですが。教師が学生の悪口を外で言いふらすのは職業倫理に反するのではないかと思うのです。教師って教えることが仕事でしょう。時には生徒にとって不都合な退学や留年といった決定をしないといけません。それは教師の仕事です。学生を叱責するのも教師の仕事です。だけど、教師が居酒屋やネットで悪口を言いふらすのは?明らかには仕事ではありません。それは当然です。仕事ではないのは当たり前として、許される行為ではあるのでしょうか?私は許されないと考えます。だって、教師という職業の目的遂行にとっては著しい不利益になることはあっても利益になることはほぼないのですから。それって職業倫理に反するのではないのでしょうか。そして、己の無能を証明するような行為なのですから。

 再度言いますが、学生を教えることが教師の仕事なのです。そのために学生の悪口を外で言うことがプラスになるかといったら、ほぼ100%なりません。それどころか、悪口を言っていたことが本人にバレでもすれば、マイナスどころではありません。本業に差し支えのあるような 学生の悪口を堂々とするのはどういう意図があってのことなのでしょうか。理解に苦しみます。 

 これが学生についての悪口ではなくて、民間企業において顧客についての悪口であったらピンとくる方も多いのではないでしょうか。例え不満に思うところがあっても、そうそう軽く罵るものではないでしょう。だって、それが当事者にバレたら洒落にならないでしょう?バラす意図があってのことならともかくも。

 それに加えて、教えることが仕事である教師が生徒の悪口を言ったり嘲笑うということは、己の教師としての無能を喧伝していることと同じではないかと思うのです。

 居酒屋で学生の悪口を言いふらす教師の姿は昔から散見されますが、今ではTwitterやブログで学生をこき下ろし、嘲笑う教師の姿が多く見られます。高校の教員や大学の教員。恥ずかしくないのでしょうか。自制心のなさと己の無能を白日の下に晒して。

  

 

カラスの親指

映画『カラスの親指』を見ました。

結論を言うと、河合まひろを演じる能年玲奈が素晴らしい。かわいい。かわいい。国民の宝。能年玲奈を見るだけのために視聴してもいいんじゃないかと思います。

ちなみに彼女はこの映画で報知映画新人賞を受賞しています。

 

さてこの映画、160分と長丁場。正直なところ、眠たくなるのではないかと心配していましたが杞憂でした。詐欺シーンが楽しいし、伏線から目が離せないし、何より能年玲奈がかわいいし(笑)あの小動物のような目は反則でしょう。

 

ただし、登場人物に感情移入することは難しく感じました。詐欺の種明かしシーンに集中していたからかもしれません。伏線が劇中に張り巡らされていたのは感心しました。

 

確かに感情移入は難しかったのですが、能年玲奈の笑顔にやられたので構いません。石原さとみ阿部寛村上ショージも見ていて楽しめました。各人物の行動にリアリティがある映画ではありませんでしたが、不思議とイライラすることなく役者さんの演技を楽しむことができたので、良作と言っていいのではないでしょうか。

 

 

 

追記:あれ?まだ騙されている?

 

 

 

地域差別と首都圏中心主義について少々思うこと。

 ここ最近気になるのが日本国内での地域差別の問題だ。この問題について特に気になるトピックを挙げるとすれば、一つにはTwitterはてなブログ地域差別を撒き散らしている男性がそれなりにネットで受けているらしいこと。もう一つには、普天間基地移設問題について作家の佐藤優さんが沖縄差別の問題に言及されていることである。 

 私の生い立ちを言えば、九州のF県F市に生まれ育ち、現在まで居住している。地域差別とは無縁に過ごし、考える機会もほとんどなかった。

 ただし、差別とは言わずとも地域間の格差について考えることは時々あった。受験や就職、趣味、交友関係において、やはり三大都市圏、特に首都圏に住むことのメリットは非常に大きい。とはいっても、三大都市圏と比べると不便さはあるが、我がF市も非常に恵まれた都市の一つではある。だから、今まで折にふれて考えることはあれど、自分自身の問題として深刻に悩むことはなかったのだ。

 そのような私が地域差別の問題に注目せざるを得なくなったのは、Twitter地域差別をまき散らしながらも、そこそこのRTやfavを稼ぐ男性を見つけてからだろうか。彼について詳細は割愛するが、Twitterなり、はてななりで、「地域差別」と検索すれば察していただけると思う。また、私が以前レイシズムの問題について記事を書いたときは彼を念頭にして書いている。

 彼は極端な一例だとしても、日本のマスメディアや知識人と言われる人の言説は、あまりに首都圏や一部の都市圏を前提としたものが多く感じるから、彼に脅威を覚え、腹が立ったのかもしれない。また、他地域へのステレオタイプな見方も見過ごせない。地方の人間が全て「純朴」な訳がなかろう。その逆に、全て「ヤンキー」な訳もなかろう。

 沖縄だろうと、北海道だろうと、関西だろうと、そこに住んでいる人間が一人一人異なる人間であることを忘れてはいけないだろう。ステレオタイプな見方は便利だし、ネタとしては面白いこともある。だが一方で、一人一人の個性を無視する暴力になり得ることも確かなのだ。

猿の惑星

 猿の惑星シリーズの5部作を見終わった。今まで1作目を見たことしかなかったので、シリーズを通して見るのは今回が初めて。

 シリーズを通して設定に突っ込みどころは非常に多いのだけれど、それが気にならなくなるような展開の面白さと人間への洞察がある。類人猿や人類の営みをもって、人間のどうしようもない愚かさを描いている。しかし、何故か暗くならないのは人間に絶望しているわけではなくて、希望をも描いているからなんだよね。特に、最終作の『最後の猿の惑星』にはそれが顕著。

 1作目と2作目は未来の話。3作目〜5作目は現代から近未来の話である。何作目で見終わろうともきちんとしたオチはある。だが、ぜひ最終作まで見ることを薦めたい。最終作は人類と類人猿の新たなる創世記とも言える内容で、一作目から見てきた者にとっては感無量であった。

ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記(感想)

 1997年に公開された本作はドラえもん原作者の藤子・F・不二雄先生の遺作になる映画である。原作漫画の執筆途中に机上で意識を失い、そのまま帰らぬ人となった。

 さて、本作は否定的な評価が多い。例にもれず私も、小学生の時に劇場で見た感想は、以前の作品と比べてつまらないというものだった。記憶が定かではないが、ぬいぐるみがたくさん出てくるストーリーが幼稚に思えたのかもしれないし、悪役のショボさにガッカリしたのかもしれない。

 しかし、今回改めて見直してみると、それほど悪い作品ではないのかもしれないと思うようになった。悪い作品というよりは、ストーリーがひたすら唐突な進行をする、シュールな作品という印象である。舞台はよい。それに一つの場面場面をみるとワクワクする表現が多くある。F先生お得意の雑学も散りばめられている。「種まくもの」には興奮する。個々の要素には光るものがたくさんあるのだ。

 だが、どうもまとまりが悪い。ストーリーの流れがスムーズじゃない。登場人物に生気がないような感じがする。下手な演劇を見たときの感覚が近いのだろうか。ドラえもんものび太もしずかちゃんも、その他のキャラクターも、うそ臭く見えてしまった。

 そして、鑑賞中には次々と疑問が湧き、不快感とも快感ともいえないものが後に残った。

 「種まく者」とは何者なのか(運動が制限される描写があったということは何らかの生命体だろうか)。植物たちの生態はどうなっているのか(F先生短編の『みどりの守り神』を思い出す)。ドラえもんたちがドライ過ぎないか(のび太滑落後の反応や、ラストでの熊虎鬼五郎の処理)。しずかちゃんの泣き顔や白目がオーバーじゃないか。ぬいぐるみたちが急速に社会を形成し、議会でジャイアンやスネ夫を吊るし上げる様は、現実の歴史でいえば何にあたるのだろうか。

 突っ込みどころは多いのだが、そこから妄想を膨らませることができる。子供よりむしろ大人が楽しめる映画なのではないかと思う。

 

 

前回補足。就活の際に考えたこと。

 前回の記事の補足。前回の記事には、自分本位で他人との連帯を目指したいという主旨のことを書いたつもりだ。結局は自分の心がけ次第だとは思っている。だが、現実問題としては、周囲に尊敬できる人がいなければその環境で連帯を実感し、頑張り続けることは難しい。タフでない私の場合は尚更。だから、今年の就活では、業界や職種、労働条件以外にも、社員の人が人間的に信頼できそうか、仕事ができそうか、それに他の内定者との反りが合うかどうかも常に確認するようにした。実際にその基準で満足行く企業に内定をもらえたのではないかと思う。

 と、このように書くと、会社説明会で頻繁に耳にする「最後には『人』を見て弊社に決めました」という常套句と全く同じになってしまうのだが、本当にそうだったので仕方がない。

 縁あって内定した企業は、旧来型の上下や横の繋がりが残っている、日本的な企業だった。就活の際には、そこまで明確に意識していたわけではないが。おそらく、自分にとってはかなりベストに近い選択をしたのではないかと思っている。入社すればいろいろと理想と違うことに目が行くかもしれない。きついことも多いだろう。だが、今考えていることを時々は思い返して、前向きに頑張りたい。